『病気が治る免疫相談室』新潟大学大学院教授医学博士 安保 徹「発症のメカニズムがわかれば、病気は治せる。生き方を見直して働き過ぎや悩みすぎを改め、ストレスを減らしていけば、免疫力が回復し病気は治癒に向かっていきます!」

世界的免疫学者 安保 徹先生の本

『病気が治る 免疫相談室』から抜粋させていただきます。

はじめに

糖尿病、高血圧、アトピー性皮膚炎、関節リウマチ、がん、緑内障など....。

患者さんやそのご家族から、私宛にメールや電話でしばしば相談が寄せられます。

抱える病気はさまざまですが、みなさんのお話から共通の悩みが浮かび上がってきます。

とくに多いのは「症状への不安」です。風邪のように一過性のものなら「寝ているれば治る」と思います。しかし、慢性病で熱や痛み、倦怠感などが延々と続くと、自分の体が壊れていくように感じられ、「どんどん悪くなるのではないか」「もう治らないのではないか」と、悲観的な感情にとらわれていきます。

病院で出された薬を飲めば症状は治まっても、やめるとぶり返す。

これを繰り返しているうちに、「いまのまま治療を続けていて大丈夫だろうか」「もっといい治療法はないものか」などの迷いも出て、悩みは深くなります。相談者と話していると、みなさんなにかしらこうした悩みを抱え、病気と向き合っているという印象を受けます。

病気になって不安になったり落ち込んだりする気持ちは、私自身も経験しているのでよくわかります。それは40歳になって間もなくのことです。職場で胃がんの検診を受けたところ、「胃がんの疑いあり。要精密検査」という通知が届きました。X線のバリウム検査で異常が見つかったのは、胃の真ん中ほどのところでカーブしている胃角という場所です。通常よりカーブの角度が広がっていたのです。その原因として、「胃壁の粘膜のがん」が疑われたのでした。

検査を受ける少し前から胃に重苦しさを感じていたこともあり、私の不安は一気にふくらみました。再検査は3週間後でしたが、一週間もするとじりじりしてきて、結果を一日でも早く知りたくなりました。そこで親しかった消化器内科の同級生に、「あと2週間も待つのはつらいから、早く診てくれないかな」て頼みました。

すると、「検診では、がんになる人の20〜30倍も要検査でひっかかります。実際にがんになる人はほとんどいないから大丈夫。心配ないです。」と、まったく取り合ってくれません。しかたなく、さらに2週間待つことになりました。

いくら大丈夫と言われても安心できるわけがなく、私は「がんだったらどうしよう」と日が経つにつれ、焦りはしだいにあきらめへと傾き、「なるようになれ」と思うしかなくなりました。人間、あまりに悩むと、しまいに心配する気力もなくなってしまうものです。胃はしくしくと痛み、仕事は手につかず、食事はのどを通らなくなって、3週間で8キロもやせてしまいました。

検診センターでの再検査の日、意気消沈して検査室に入りました。内視鏡で胃をのぞいた医師は、驚いたように言いました。

「これでよくご飯食べられましたね。つらかったでしょう。」

「全然食べられませんでした。」

「そうでしょうね。胃の粘膜が全部びらんになっていますから。でも、がんはありませんよ。」

「よかった!」と思った瞬間、体から力が抜けました。ホッとしたら急に空腹感がこみ上げ、食堂にかけこみ、一気にカツ丼を平らげたことを覚えています。

私ががんの疑いにパニックを起こしたのは、当時の私にはがんの成り立ちや治し方の本質がわかっていなかったからだと思います。その当時から今に至るまで、現代医学ががんを引き起こすさまざまな要因を指摘してきましたが、確実な予防策を行うこともできていません。その当時の私なら、患者さんからがんの相談をされたとしても、的確なアドバイスはできなかったでしょう。

そんな重症の胃炎から数年後、免疫学の研究を重ねる中で、がんだけでなく、あらゆる病気の発症原因を解明することができ、病気の治し方を含め実践的なアドバイスができるようになりました。

すべての病気に共通している原因は、「悩み過ぎ」や「働き過ぎ」「長期に渡る薬の飲み過ぎ」など、心身にかかるストレスです。

ストレスは、内臓や血管の働きを無意識に調節している自律神経を直撃し、その働きを乱します。自律神経は免疫力をつかさどる白血球の数や働きも調整しており、これが乱れると免疫力が低下します。この免疫力の低下が、糖尿病、高血圧症、リウマチ、腎臓病、心臓病など、さまざまな病気を招いているというわけです。

3年ほど前からはじめた研究では、自律神経と白血球の関係とは別に、ストレスが「エネルギー生成系」(体のエネルギーを作り出すシステム)にも影響を与え、病気を発症させることがわかりました。

病気が発症するメカニズムがわかると、どうすれば病気を治せるのかもわかります。ストレスのない人生なとありえませんが、生き方を見直して働き過ぎや悩み過ぎを改め、ストレスを減らしていけば、免疫力が回復し、病気は治癒に向かっていきます。

これは言い換えれば、病気が発症するメカニズムを知らずにいれば、的確な判断ができず、いたずらに悩み続け、治癒の流れから遠ざかってしまうということです。

私の胃炎も、ストレスですへて説明がつきます。体調を崩したこれは教授選をひかえ、自分が教授になれるかどうかでやきもきしていた時期でした。その前の同様の機会に、毎度落選していたからです。このストレスで自律神経の働きが乱れた結果、胃壁に炎症が生じたり、胃の蠕動運動が弱くなったりして胃壁がゆるみ、胃角に異常をきたしたのです。

「ストレスが自律神経の働きを乱し

病気をもたらしている」。この仕組みがわかれば、症状があっても怯えすにすむので、心もちが穏やかになります。その結果、自律神経の働きも安定し、免疫力が高まって、治癒の流れに入っていくことができます。

私に相談を寄せてこられた患者さんの多くは、病気の成り立ちを理解することで悩みを解決していかれました。

以上です。☺️

世界的免疫学者の安保徹先生は、本や動画がいっぱい出ています。

とても解りやすいのでぜひご覧ください。

集団検診などで、「要精密検査」の通知がきても、慌てず焦らず、冷静になって自分自身の生き方を振り返ってみることがとても大事ですね。

真面目に一生懸命に働いてこられたことは、とても素晴らしいことですが、寝る間を惜しんで働き過ぎや頑張り過ぎて、いつの間にか病気になったりしています。

病気になる前に必ず「体のサイン」が出ます。痛みや痒みや怠さ、頭や体が重い...などの症状が出ています。

忙しい過ぎると、字のように「心を亡くす」状態になりますから、気づくことができません。

どうぞ一日の中で、ゆったりする時間をつくって、お茶でも飲んで、目を瞑り、心の声に耳を澄ましてみてください。☺️🌍✨💕

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