「腸内細菌と脳の真実」ASD(自閉症スペクトラム)などの発達障害、食物アレルギー、ぜんそく、アトピー性皮膚炎、うつ、不安は「腸内細菌の悪化」が原因だった!

心と体を健康にする

「腸内細菌と脳の真実」

薬学部博士  生田 哲

リーキーガット(腸壁に開く穴)が病気を引き起こす

ASD(自閉症スペクトラム)などの発達障害、食物アレルギー、ぜんそく、アトピー性皮膚炎、うつ、不安は「腸内の悪化」が原因だった!

から抜粋させていただきます。

どうぞご参考に😊

p35

◎腸は「第二の脳」

ASDの子供の9割は腸に障害がある。

そして、食物アレルギーは腸の障害によって起こり、急性膵炎が腸の障害が引き金となって発症したと推測できることを述べた。

腸の障害は人体の広範囲にわたり悪影響を及ぼすのである。

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p184

第5章 リーキーガットから腸を守る

◎腸は人の健康の源である

発達障害が激増していること。

その代表であるASDの子供の9割は腸に障害があることを述べてきた。

腸の障害に関係するのは、発達障害に限らず、食物アレルギー、ぜんそく、アトピー、過敏性腸症候群(IBS)、うつ、不安など、多くの病気が列挙される。

腸はとりわけ重要な臓器だ。

腸は食べ物を分解▪吸収するだけでなく、免疫系の大部分が集まっている

しかも腸には多くの細菌が住んでいる。

細菌が住む腸の状態を変えるのは、私たちの感情である。

心理的なストレスが腸の状態を変え、これが腸に澄む細菌たちの総数と種類を変えるだけでなく、細菌たちがつくる物質が私たちの脳に入り、脳の状態を変えているのだ。

脳と腸と腸内細菌の3者は、密接なコミュニケーションをとっていることが明らかとなった。

しかし、今から2500年も前に、古代ギリシャの医師ヒポクラテスは「すべての病気は腸にはじまる」という言葉を残しているではないか。

改めて、先人に観察力、知識、知恵に驚かされる。

腸はアレルギーから脳の病にいたるまで、あらゆる病気に関係している。

腸は人の健康の源なのである。

健康な腸とは大きな花壇のようなものだ。

大きな花壇には、多種多様な花が咲き乱れている。

また、腸内はそこに住む腸内細菌がつくる小宇宙と考えることができる。

腸内細菌にはさまざまな種類があって、それぞれの群が競い合いながらも、勢力的にはバランスをとって生きている。

この共生のバランスが崩れるとき腸に穴が開く、すなわちリーキーガットが起こる。

では、どうすれば健康な腸を獲得し、維持することができるのか。

リーキーガットから腸を守るにはどうすればいいのか。

◎わが家における食事の考え方

私の家で心がけているのは、食物繊維が多い、植物を中心とした肉類や魚介類の豊富な食事である。

腸を元気にするための食事の基本について、私の考えを簡単に述べておく。

糖質については、腸内環境のエサとなる食物繊維を多く含んだ野菜や海藻類を積極的に摂るようにする。

たとえば、ブロッコリー、カリフラワー、アズキ、ダイコン、ゴボウ、サツマイモ、コンブなど。

米は白米ではなく、もちろん玄米である。

野菜は生をサラダで食べても加熱調理されたものでもよい。

タンパク質は良質のものが牛肉、豚肉、鶏肉、魚介類、鶏卵、ダイズ、豆腐などに含まれている。

反対にハム、ソーセージなどの加工タンパク質は控えるようにしている。

脂肪は肉類や魚介類に多く含まれている。

動物性の飽和脂肪を多く摂らないようにし、植物性の不飽和脂肪を多く摂るように努めている。

たとえば、オリーブ油、アボカド油、アマニ油、全粒の種子やナッツのオイルがオススメ。

EPAやDHAなどのオメガ3と呼ばれる脂肪酸を多く摂取したい。

オメガ3は青魚、アマニ油、シソ油に多く含まれている。

◎避けるべき悪い食事

避けるべきは悪い食事だ。

どんなものかというと、加工食品や冷凍食品に代表される、砂糖、精製デンプン、人工甘味料、着色料、保存料などの食品添加物を多く含んだ食品である。

これらの食品の特徴は、食物繊維という腸内細菌の一番のエサが含まれていないことだ。

食品添加物の安全性について、私たち消費者は慎重な態度をとるべきだ。

なぜか?

食品メーカーは、こう主張する

「人体にまったく影響のない範囲の量を添加している」。

だが、彼らが主張しないのは、なん年も何十年も継続的に摂取したときの影響は不明である、ということだ。

加工食品は殺菌され、さらに日持ちをよくするための保存料が添加されている。

何日たっても腐らない。

こんな食品を食べ続けたらどうなるが。

腸内に住む細菌は飢え、傷つけられ殺菌される。

ポイントは、腐らない食べ物を口に入れるべきではない、ということだ。

避けるべきは砂糖に限らない。

食品から食物繊維を取り除いた「精製デンプン」は食べてすぐに酵素によってブドウ糖に分解されるから、砂糖を食べているのと変わらない。

白米ご飯、白パン、菓子パン、麺類、スイーツ、クッキーなど、どれも精製デンプンの塊てある。

砂糖、ブドウ糖、そして精製デンプンはカンジダ菌やクロストリジウム属菌の大好物である。

これらを多量にふくんだ食品を口にすると、腸内でカンジダ菌やクロストリジウム属菌が大増殖し、膣カンジダ症になったり、ディスバイオシスが発生しやすくなる。

コンビニで販売されている、おにぎり、弁当などには、pH調製剤、着色料、化学調味料が大量に含まれている。

コンビニのおにぎりは、「安くて、うまくて、便利」だが、添加物まみれなので、ディスバイオシスを引き起こす最適の食品のひとつだ。

◎避けるべき薬

薬の摂取はどうか。

多くの人が頻繁に摂取し、しかも腸内環境を非常に悪化させるのが、細菌を殺す抗生物質だ。

抗生物質は20世紀最大の発見と讃えられた薬である。

そして、これまで世界中で多くの人命を救ってきた。

かつて栄養状態も衛生環境もよくなかった時代に、抗生物質は感染症とたたかうのに見事な働きをした。

しかし21世紀の現代、栄養状態も衛生環境も格段に改善された。

抗生物質をあまり使う必要はない。

だが、実際には安易に使い過ぎている。

病院に行けば不要な抗生物質がじゃんじゃん処方されている。

また、魚の養殖には大量の抗生物質が使われているが、魚に抗生物質が残っているならば、最終的に私たち消費者の口に入る。

それでどうなるのか?

抗生物質は細菌を殺す薬なので、腸内細菌を無差別に殺す。

だから、抗生物質を呑めば腸内細菌のバランスが崩れ、ディスバイオシスが起こる、腸管粘膜にダメージが生じ、リーキーガットが発生しやすくなる。

では、どうすればいいのか?

抗生物質をできるだけ服用しないこと。

やむを得ず服用するときは、乳酸菌などのプロバイオティクスを一緒に摂取するのがよい。

鎮痛薬のアスピリン、ロキソニン、イブプロフェン、インドメタシンは慢性的な痛みに長期的に使われている。

これらの薬は、胃粘膜を弱くするのに加え、カンピロバクター属菌などの病原菌を腸内で増殖させる。

◎腸内に住む細菌を育む

腸内に住む細菌を育む食事は3種類ある。

まず第1は、食物繊維を多く含んだ食事である。

腸内に住む細菌はエサを必要としていて、糖質はもっとも好物である。

この糖質はどこからくるの。

糖質のおもな供給源は、2つ。

私たちが食べる食べ物に含まれる食物繊維、そして腸の粘膜に含まれる糖質である。

食物繊維から説明しよう。

食物繊維にはセルロース、リグニン、ペクチンなどがあるが、どれも植物の細胞壁を補強する材料である。

食物繊維は水に溶けるか、溶けないかで2つに分けられる。

水に溶けやすいものを「水溶性食物繊維」といい、代表はペクチン。

水に溶けにくいものを「難溶性食物繊維」といい、代表はセルロースとリグニンである。

すべての腸内細菌、とりわけ善玉菌は水溶性食物繊維が大好物である。

悪玉菌でさえ水溶性食物繊維をエサにするときには異常な繁殖をしないし、それほどの悪さもしない。

善玉菌は水溶性食物繊維をエサにし、人に有用なビタミン、アミノ酸、短鎖脂肪酸を合成する。

日和見菌はもちろん悪さをしない。

水溶性食物繊維の代表は、ペクチンという多糖類だ。

ペクチンは、オートムギ(燕麦)、ニンジン、パプリカ、キャベツ、果物(とくにリンゴ)などに大量に含まれている。

リンゴが体にいいことは昔からよく知られている。

ドイツの諺にも、「一日に1個のリンゴを食べていれば、健康になるから医者にかからなくてよい」とあるくらいだ。

◎忘れてはならない海藻類

忘れてはならないのは、日本の伝統食▪海藻類である。

海藻類の代表的なものは、ワカメ、コンブ、メカブ、アラメ、モズク、ノリなど。

海藻は英語の辞書で引くと、「seaweed」とある。

「sea」は「海」、「weed」は「雑草」だが、「海の雑草」では食べる気が起こらない。

そこで最近は欧米でも「sea vegetable(海の野菜)」と記載されることが多い。

海藻類には水溶性の食物繊維、とりわけアルギン酸ナトリウムというヌルヌル物質が含まれている。

アルギン酸ナトリウムも腸内細菌の大好物だ。

しかも、はるか昔から海藻を食べてきた日本人の腸はノリの消化に適していることが明らかとなった。

日本人の腸内細菌を分析したところ、ノリを分解するのに適した酵素を指令する遺伝子が発見されたのである。

もともと、この遺伝子は海藻を食べる細菌が所有するものである。

海藻に付着していたこの細菌が腸に入り、腸内細菌に遺伝子を与えたのである。

これは、人間の腸内細菌に体外の細菌の遺伝子が取り込まれたことが確認された初めての例である。

毎日、水溶性食物繊維を多く含んだ植物や海藻を食べることを心がけよう。

◎便秘を防ぐ

便とは消化されないカスや体にとって不要、もしくは有毒な物質である。

この便が腸に蓄積するのが便秘である。

便秘は腸内環境を悪化させ、ディスバイオシスを引き起こす。

だから、便秘を防がなければならない。

その最善の策は難溶性食物繊維を摂取することだ。

難溶性食物繊維はセルロースとリグニンで、玄米、トウモロコシ、もみがらなどに多く、含まれる。

難溶性食物繊維は、腸内の有害物質を捕まえ、便通をよくし、腸内をきれいにする。

こうして腸内環境が改善される。

そのしくみを説明しよう。

難溶性食物繊維は大量の水を吸い取り、膨れる。

難溶性食物繊維の豊富な食物を食べ、消化物が腸にやってきたとしよう。

水を吸った難溶性食物繊維は約2倍に膨れる。

膨れた難溶性食物繊維は、腸内に蓄積する有害物質を見つけては捕捉する。

捕捉された有害物質は難溶性食物繊維と一緒に便として排泄される。

すなわち、難溶性食物繊維のないときにくらべると、あるときの方が、腸内ははるかにきれいになる。

夏はトウモロコシの季節であるから、新鮮なものが入手できるので、しっかり食べよう。

◎腸内細菌の多様性を増やす

話を戻そう。

腸内細菌は食物繊維があれば、これを食べる。

第1選択肢は食物繊維である。

だが、これがなければ、細菌は粘膜層に含まれる糖質を食べる。

ここで問題が起こる。

粘膜層は腸細胞から細菌を分離するための防御壁であるから、粘膜層が食べられると防御壁がどんどん薄くなる。

この状態は腸にとって危険だ。

この危険を察知した免疫系が反応し、腸に炎症が起こる。

だから、食物繊維を十分に摂取し、細菌に粘膜層を食べられないようにしなければならない。

だが、これは私たちが食物繊維を食べる理由のひとつに過ぎない。

もうひとつの理由は、食物繊維を多く含む食べ物を食べると、腸内細菌の種類を殖やせるからだ。

毎日、腸の粘膜層の糖質が細菌のエサという状況が続くと、腸内で生きる細菌の種類が減少する。

こうして腸内細胞の多様性が低下する。

この反対に、野菜、果物、穀物を多く含んだ食事をすると、さまざまな種類の糖質を与えることができ、これをエサにして生きる細菌の種類が増える。

腸内細菌の多様性が増え、腸内環境が改善し、強い腸ができる。

◎肉と飽和脂肪酸の摂取を減らす

腸内に住む細菌を育む食事の第2は、肉の摂取量を減らすこと。

赤身の肉には、L-カルニチンというアミノ酸が含まれている。

L-カルニチンそのものは無害てあるが、腸内に住む細菌によってトリメチルアミンに代謝され、さらに酸化されて有害なトリメチルアミンN-オキシドに変換される。

この危機な物質の血液中における濃度が高いと、心臓病や脳卒中になりやすい。

トリメチルアミンをつくる細菌に影響を及ぼすのは、長期にわたってどんな食事をするかである。

肉類をたくさん食べる人は、ベジタリアン(菜食主義者)よりもトリメチルアミンN-オキシドの血液中の濃度が高く、心臓病や脳卒中になりやすい。

普段、肉をあまり食べないか、植物性の食べ物を食べている人は、肉を食べたときにこの物質を少ししかつくらない。

腸内にこの物質をつくる細菌が少ないためと思われる。

腸内に住む細菌を育む食事の第3は、脂肪の摂取量を減らすこと。

低脂肪で髙食物繊維の食事をすると善玉菌が増え、炎症が抑えられ、免疫力が高くなる。

一方、髙脂肪で低食物繊維の食事をすると悪玉菌が増え、腸に炎症が起こり、免疫力が低くなる。

だから、食事で摂る脂肪分をオリーブ油やアボカドなどの不飽和脂肪酸にするとよい。

◎大腸の粘膜を修復し、バリア機能を高める

大腸の粘膜を修復し、バリア機能を高める強い味方が、酢酸、プロピオン酸、酪酸といった短鎖脂肪酸である。

ビフィズス菌や乳などの腸内細菌が水溶性食物繊維やオリゴ糖を食べる際にできてくる物質である。

この短鎖脂肪酸は大腸から吸収される。

短鎖脂肪酸の利点はいくつもある。

ひとつ目は、これらの酸が腸内を弱酸性にし、腸内環境が改善することだ。

腸内が弱酸性になると、ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌が増える傾向にあるためだ。

一方、腸内が弱アルカリになると悪玉菌が増える傾向にあり、腸内環境が悪化する。

2つ目は、短鎖脂肪酸は腸の上皮細胞のエネルギー源になる。

エネルギーをもらった細胞は増殖し、腸に開いた穴をふさぐ。

3つ目は、短鎖脂肪酸は腸の細胞にある遺伝子をオンにして、粘膜物質であるムチンを分泌させることによって大腸を守る。

4つ目は、短鎖脂肪酸が免疫系の制御性T細胞を増やし、炎症を抑える。

大腸で短鎖脂肪酸を増やしたい。

それには、善玉菌の大好物のオリゴ糖と食物繊維をどんどん提供することだ。

オリゴ糖とは、ブドウ糖などの単糖類が数個(3~5個)つながったもので、熱や酸に強く、胃酸や消化酵素で分解されないので、大腸に届く。

たとえば、オリゴ糖を豊富に含んだ食べ物を一週間食べると、ビフィズス菌が増える。

オリゴ糖は、ダイズ、ゴボウ、タマネギ、ハチミツに多く含まれているので、積極的に摂取したい。

◎発酵食品の魅力

腸を応援する強力な助っ人が、発酵食品だ。

発酵食品というとチーズやヨーグルト、パン、納豆が思い浮かぶ。

あるいは、味噌や醤油、塩辛、鰹節を思い出す方もいるだろう。

発酵食品の特徴のひとつは「おいしさ」である。

原料となる食材が持っていない味や香りが、発酵によって引き出される。

おいしさだけではない。

「健康」にもすばらしい効果がある。

発酵食品は腸内環境を整え、腸内細菌を増やす。

毎日、食べよう。

味噌、納豆、ザワークラウト、ピクルスなどは、善玉菌が腸内環境を改善するだけでなく、含まれる栄養素も提供することで腸を強くする。

ザワークラウトは「酸っぱいキャベツ」という意味で、この酸っぱさは乳酸菌によるものだ。

とくに顕著な効果を示すのが日本の伝統食▪味噌だ。

ダイズ、発酵させてつくった味噌には、乳酸菌、酵母菌、麹菌などの善玉菌が豊富だ。

私も強くオススメする。

それでは味噌がすぐれている理由を5つ挙げよう。

第1に、味噌に含まれる食物繊維が有害物質を吸着して、便と一緒に排泄する。

第2に、味噌は腸内の善玉菌を応援することで悪玉菌の活動を抑え、腸内環境を改善する。味噌のこの効果で、がんの発生も防ぐ。

第3に、味噌は腸内環境を改善して、腸管からのビタミンB群の吸収を促進する。

第4に、酵素を豊富に含んでいるため、味噌によって消化が改善される。腸管から栄養素が十分に吸収されることになり、逆に、有害物質の腸管からの吸収は抑制される。

第5に、味噌の原料であるダイズに含まれるイソフラボンが抗酸化物質としてはたらき、活性酸素を分解する。

ほかにも、醤油、キムチ、塩辛など発酵食品は善玉菌を助け、酵素も豊富なので、腸内環境を整えるのに有効である。

◎ブロッコリーは腸にもいい

ブロッコリーは食物繊維が多いことと、がんを抑制する効果があることが知られている

それでも、ブロッコリーを嫌う人がいる。

そんな人にとってはさらに悪い知らせがある。

この野菜が腸にもよいということだ。

マウスがブロッコリーを通常の食事と一緒に食べると、ブロッコリーを食べなかったマウスにくらべ、リーキーガットや大腸炎と似た腸の症状が改善する。

それから、キャベツやカリフラワーを食事に加えると、ブロッコリーのケースと同じように腸の健康が増進する。

腸の健康を増進させるべき理由はいくつもある。

そのひとつは、リーキーガットがあり、炎症に苦しむようなら、関節炎や心臓病など他の病気にかかりやすくなるからだ。

以上です。

食生活を変えることで、骨密度が正常になったり、椎間板ヘルニアが正常な位置に引っ込んだりもするようです。

物が溢れている時代、何を選択するかがとても大事ですね。😊

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