ヘレン・ケラー 『輝ける魂』の日本語字幕より抜粋させていただきます。😊
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彼女は自らの言動で人々に気づかせました。
たとえ目と耳が不自由でも人間はみな一緒だと。
彼女は人間の共通性に人々の目を向けさせ、人間の新しい在り方を示しました。
彼女は光り輝き、思いやりに満ちていました。
周りの人やものすべてに興味を持ち活力にあふれていました。
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闇と静寂に包まれたヘレンはその時のことを「本能だけが頼りの獣のようだ」「私は無の世界の住人だった。そこには過去も現在もない、感情や理性的思考の微塵もない、昼も夜もない、存在するのは空白だけでした。」と記しています。
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「冷たい水が手に流れ、先生の指先に全神経を集中させた。すると不思議な感動と新しい意識がわき起こった。
まるで忘れていたことを思い出したように、言葉の神秘が私に開かれたのだ。
すべてのものに名前があり、そこから新たな考えが浮かんできた」とヘレンは後にこの時のことを回顧しています。
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心地いい興奮が体を通り抜け、心の中に閉ざされていた甘く不思議なものが歌い始めた。
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ヘレンは読書や自然を愛しました。
自然は触覚と嗅覚を刺激し、読書は世界とつながる術でした。
ヘレンは読書を通じ神や宗教について考え初めます。
なぜ神は時に私たちに試練を与えるのか?霊とは?天国はどこ?神の創造主とは?魂とは?
ヘレンはこれらの疑問に対する答えを求め、霊的探求と読書に夢中になりました。
「私の考えを書き記せば文字が私の魂の体となる。」
霊的探求を続ける中ヘレンは不思議な体験をします。
ヘレンが12歳の時の出来事です。
自宅の書斎で歴史書を読んでいました。
その時、霊魂がアテネに行くという「体外離脱」を経験したのです。
その時、彼女は悟りました。
触覚が目の変わりであり、霊魂は時と場所との制約を受けないと。
「この驚くべき悟りに私の心は燃え立った。
霊魂に空間は関係ない。
私の霊魂は確かに実在し、それは場所や肉体の制約を受けない。
私の霊魂は何千キロも彼方の場所を訪れその景色を見たのである。」
「この新しい意識において神を感じた。
万物の創造主である神は、霊魂として宇宙に存在するのだった。」
ヘレンはこの不思議な体験により、さらなる疑問を抱きます。
その多くは聖書に関することでした。
「神の真意とは」「神とは誰なのか?」聖書の寓話はギリシャやローマの神話のようで、私が思い描く光輝く柔和な神の姿はそこにない。
思い描く神は存在するのか?
ヘレンの信仰が揺らぎます。
ヘレンは後に神の摂理を確信します。
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奉仕と分かち合いの精神はヘレンの重要な理念でした。
その痕跡は彼女の歩んだ人生に刻まれています。
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「私は霊界の様々な秘密を知る、内的感覚が見えざるものを見せてくれる。
ここにある信仰に深く共鳴した。
言葉と肉体とは別であり、私が全体として描く世界も断片的な世界とは別物なのだ。」
肉体の中に霊体が存在するという考えにヘレンは共感します。
体は不完全でも魂は完全だと信じていたからです。
外界からの雑音が少ない彼女は内なる世界に注意を向けます。
「天に輝く星を見ることはできないが、同等に明るい星が私の魂の中で輝いている。
私にとって魂は本質的なもの、私は万物と同じもので、できていると思う。私にとって魂は約束の国、そこは永遠の若さ、希望、無限の可能性がある。」
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やがてヘレン▪ケラーは芯の強い美しい女性へと成長し、多くの友人に恵まれました。
話し方の習得を切望していた彼女はこの可能性に近い難題に挑みます。
そして不明瞭な発声ながらも彼女は成功します。
「うまく発声できなくて、大きな失望を味わった。でも外界と私をつないでくれるこの手段を手放すことはしたくない。」
ヘレンは自身の深い霊的信仰から力を得て数々の落胆や壁に耐えました。
彼女は熱心に神を信じていました。
その信仰は彼女に希望と慰めを与えました。
彼女は人生に意味を見出そうとしました。
障害者は無力だと思っていたからです。
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1904年ヘレン▪ケラーはラドクリフを卒業した初の盲ろう女性となりました。
その上4か国語を習得し首席で卒業したのです。
「それが正しいことであれば成し遂げられないことはない。そう思うと強くなれる。
私の障害が神罰や事故だと思ったことはない。神に感謝します。
障害のおかげで魂と仕事、そして神を見つけたのです。」
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ヘレンは二度求婚されましたが、残念ながら、障害者に結婚は向かないと言って、家族の反対にあいます。
ヘレンはこの時の苦悩を善への力に転換します。
私は夫も子も持てない運命だ。愛される経験ができて幸せだが、この運命に甘んじよう。
神は私に創造への衝動を与えてくださった。
心の底から溢れて来るこの衝動を恵まれない人々への奉仕や困難な課題に向けよう。
障害は自立的な思考や社会生活の妨げなのでは?とヘレンは葛藤していました。
「私の脳は考える訓練を受けている。それが他の人との違いだ。視力の有無ではない。」
聖書から真理を学び取り、神のゆるぎない力を信じ、それに従って生き、善行を行うこと。
これが人間が古い殻を破り自身の世界を再構築する方法だ。
ヘレンは、信仰を拠り所に人生の試練に立ち向かいます。
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私は闇の中心部を覗きみたがその抗い難い力には屈しない。
私は人生を選びその対局にある無を拒絶する。
人生において乗り越えるべき壁がなければ報われる喜びは得られない。
ヘレン▪ケラーの言葉への愛は絶大で、彼女にとっては探求と貢献の術でした。
彼女は言葉に励まされ世に多くの名著を残しました。
ヘレンは読むことも書くことも好きでした。
まだ幼いころに言葉の力に気づき、言葉が彼女を国際舞台に押し上げました。
「点字本やタイプライターの存在は障害を忘れさせてくれる。
私の魂と心は自由だ」
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「私が認識できなかったことは山ほどあるだろう。
でも想像は世界の果てまで飛んでいける。
ハドソン川はきらりと輝く刀身のよう、マンハッタンの島は七色の水面に浮かぶ宝石のようだ。」
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「世界は二つあることを知った。
物差しで測ることのできる世界と心と直感で感じることができる世界だ。」
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真理は私の思考に鮮明さを与えてくれる。
その鮮明さの正体を知り、目に光が差す感覚を想像できる。
それは言葉の集まりではなく、実際的な感覚である。
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ヘレンは自分の内なる力を信じていました。
彼女は豊かな想像力によって言葉を一次体験に変換していました。
想像力が耳と目の変わりとなり盲聾者に様々な世界を見せているのです。
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二人は3年間演芸ショーの巡業に参加しましたが、友人らは反対、しかしヘレンは旅や冒険での新しい出会いが大好きでした。
「人生は恐れを知らぬ冒険か、無のどちらかだ。」
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誰かがそばを通りかかると顔を上げ笑顔を向ける。
足音の振動を感じているのだ。
音楽が流れると合わせて拍子をとる。
顔にはいつも笑顔がある。
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ヘレンはアンの死に心の整理がつきませんでした。
そんな折アンの霊が訪ねてきたのです。
「私は自分の使命を思い出した。
天界の先生から励まされたような気がしたのだ。
前方と背後に神の存在を感じ、何も恐れる必要はない。」
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ヘレンは恵まれない人々の代弁者となって40年もの間、世界中を旅し続けました。
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「なぜ、そんなに幸せなの?」と彼が聞くと、彼女は笑いながらこう答えました。「毎日を人生最後の日と思って暮らし、人生は喜びに満ちているから」と。
彼女は残された感覚を使って豊かな感受性を育んだのです。
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ヘレンのいわば神秘性は、彼女の霊的洞察力や宇宙に対する深い理解、そして共感能力に起因しています。
彼女は人生のあらゆる場面で神の存在を感じていました。
「見えざるものを見せてくれる内的感覚は霊界と結びついている。
触覚で得た体験を見極め、浄化のため私の心に提示する。
この感覚は私に神を見させてくれる。
そして地球とあの世、現在と永遠、神と人間の闇をつないでくれるのだ。」
ヘレンは高い共感能力の持ち主でした。
人や鳥、触れたものや感じたリズム、何にでも同調しました。
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ヘレンは大事なことを教えてくれました。
「生まれ持ったものを嘆くのではなく、それを最大限に生かすべきだ」と。
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彼女は言いました。
「問題と対峙しなさい。
でも、決してそれに支配されてはならない。
その問題から忍耐と思いやりを学ぶのです。
自分や他の人の人生にどんな奇跡を引き起こすのかわからない」と。
私はたった一人の人間だ、それでも一人の人間である。
すべてはできないが、何かはできる。
出来ることをできないとは言わない。
ヘレンはこの格言から優劣で人生を考えるのをやめました。
誰もが長所と短所を持っているのです。
持っていないものを気にしていても仕方がありません。
あるものでベストを尽くすのみです。
それが人生を一変させ世界を動かすことさえあります。
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「死を恐れる理由がわからない。
この世の生は死より残酷だ。
生は別離や離反を生むが、死は永遠の生であり、再開と和解を生む。
私は信じている。
内なる目が来世で開かれた時、意識だけを持って自分の心の国で生きるのだ」と。
「ヘレン・ケラー輝ける魂」という動画があります。
全文は、検索してご覧ください。😊
ただただ感動❤️🌍✨