「アルケミスト 夢を旅した少年」 パウロ・コエーリョ

本の中から、大事だと思う所を掲載させるいただきました。

羊飼いの少年サンチャゴの人生の目的は旅をすることだった。

少年は、16歳まで神学校にいた。

父親は少年を神父にしてあまり豊かでない農家の自慢にしたかった。

ある日の午後、家族のもとにかえった彼は、勇気をふりしぼって、自分は神父にはなりたくない、自分は旅がしたいのです、と父親に言った。

父親は少年を祝福した。

少年は父親の目の中に、自分も世界を旅したいという望みがあるのを見た。

それは、何十年もの間、飲み水と食べるものと、毎晩眠るための一軒の家を確保するために深くしまいこまれてあたものの、今もまだ捨てきれていない望みだった。

少年は夢を解釈してくれる老女に会う

「その子供は僕にいいました。『あなたがここに来れば、隠された宝物を発見できるよ』そしてその子供が正確な場所を教えようとした時、僕は目をさましてしまったんです。二回ともね。」

そして、セイラムの王様だという老人に会う

「人は運命を選ぶことはできない、と言っているのだよ。そして最後に誰もが世界最大のうそを信じている、と言っている」

「それはこうじゃ、人は人生のある時点で、自分に起こってくることをコントロールできなくなり、宿命によって人生を支配されてしまうということだ。それが世界最大のうそじゃよ」

「一番重要なのは、おまえが自分の運命を発見したということだ」

「おまえがいつもやりとげたいと思ってきたことだよ。誰でも若い時は、自分の運命を知っているものなのだ。

まだ若い頃は、すべてがはっきりしていて、すべてが可能だ。

夢を見ることも自分の人生に起こってほしいすべてのことにあこがれることも、恐れない。

とこれが、時がたつうちに不思議な力が、自分の運命を実現することは不可能だと、彼らに思い込ませ始めるのだ。」

「その力は、否定的なもののように見えるが、実際は、運命をどのように実現すべきかおまえに示してくれる。

そして、おまえの魂と意思を準備させる。

この地上には一つの偉大な真実があるからだ。

つまり、おまえが誰であろうと、何をしていようと、おまえが何かを本当にやりたいと思う時は、その望みは宇宙の魂から生まれたからなのだ。

それが地球におけるお前の使命なのだよ。」

「したいと思うことが、旅行しかないという時もですか?呉服屋の娘と結婚したいという望みもですか?」

「そうた。宝物を探したいということさえそえなのだ。

『大いなる魂』は人々の幸せによってはぐくまれる。

そして、不幸、羨望、嫉妬によってもはぐくまれる。

自分の運命を実現することは、人間の唯一の責任なのだ。

すべてのものは一つなんだよ。

おまえが何かを望む時には、宇宙全体が協力して、それを実現するために助けてくれるのだよ」

「いつもこうだとは限らないが、わしは必ずいろいろな形で現れるのだ。

時には一つの解決法とか、良い考えとなって現れることもある。

別の時には、危機一髪という時に、ものごとを起こりやすくしてあげることもある。

もっと他のこともいろいろしているが、ほとんどの場合、人はわしがやってあげたということに気がつかないのだよ』

「宝物を見つけるためには、前兆に従って行かなくてはならない。

神様は誰にでも行く道を用意して下さるものだ。

神様がおまえのために残してくれた前兆を、読んでゆくだけでいいのだ」

「いつも『はい』と『いいえ』で答えられる質問をするようにしなさい。

しかし、できれば自分で決めるように努力しなさい。

宝物はピラミッドにある。

そのことはおまえはもう知っていたね。

わしが六頭の羊をもらうと言い張ったのは、わしは、おまえが決心するのを助けたからだ」

『幸福の秘密とは、世界のすべてのすばらしさを味わい、しかもスプーンの油のことを忘れないことだよ』

彼は自分の運命から逃げないために、聞いてはいけないことがあることを学んだのだ。

「自分の意志で決定すると約束したんだ」と少年は自分に言った。

ポケットには一文もなかったが、彼には確信があった。

本を読んであこがれていた冒険家のようになると、前の晩決めたのだ。

キャンディ売りはアラビア語で話し、自分はスペイン語で話していたことに気がついた。

それでも二人は完全に理解しあっていた。

きっとことばによらないことばというものがあるのに違いない。

決心するということは、単に始まりにすぎないということだった。

まるで、急流に飛び込んで、その時には夢にも思わなかった場所に連れてゆかれるようなものなのだ。

「幸運と偶然の一致という言葉についてだけで、大きな百科辞典が書けるだろう。『宇宙のことば』はまさにこの二つの言葉で書かれているんだ」

自分の運命の実現に近づけば近づくほど、その運命がますます存在の真の理由になってゆく、と少年は思った。

僕は羊からものごとを学び、クリスタルからも学んだ、と少年は思った。

砂漠からも何かを学べるにちがいない。

少年は、直感とは、魂が急に宇宙の生命の流れに侵入することだと理解しはじめた。

そこでは、すべての人の歴史がつながっていて、すべてのことがわかってしまう。

そこにすべてが書かれているからだ。

人は、自分の必要と希望を満たす能力さえあれば、未知を恐れることはない、ということです。

「私たちはいくつもまわり道をしていますが、いつも同じ目的地に向かって進んでいるのです」

「君が何かを全身全霊で欲した時、君はその『大いなる魂』ともっとも近い場所にいる。それはいつも、前向きな力として働くのだ」

「ではなぜ、こんなにたくさんの本が必要なのですか?」

「その二、三行を理解するためだよ」

「おまえにとって、クリスタルをみがくことは、否定的な考えから自分を自由にすることなのだよ」と言った。

少年は、ますます、錬金術は日常の生活の中で学ぶことができると確信した。

夢の追求の過程で、彼はやる気と勇気を常にテストされていた。

あせってもいけないし、いらいらしてもいけなかった。

神様はサインや前兆を僕の進む道に用意してくださるのだ。

その瞬間、少年は時間が止まったように感じた。

「大いなる魂」が彼の中から突き上げてきた。

彼女の黒い瞳を見つめ、彼女のくちびるが笑おうか、黙っていようかまよっているのを見た時、彼は世界中で話されていることばの最も重要な部分――地球上のすべての人が心で理解できることば――を学んだのだった。

それは愛だった。

それは人類よりももっと古く、砂漠よりももっと昔からあるものだった。

それは二人の人間の目が合った時にいつでも流れる力であり、この井戸のそばの二人の間に流れた力だった。

「学ぶ方法は一つしかない」

「それは、行動を通じてだ。おまえは必要なことはすべて、おまえの旅を通して学んでしまった。おまえはあと一つだけ、学べばいいのだ」

「賢人は、この自然の世界は単なるまぼろしで、天国の写しにすぎないと言っている。

この世が存在しているということは、ただ単に、完全なる宇宙が存在するという証拠にすぎないのだ。

目に見えるものを通して、人間が霊的な教えと神の知恵のすばらしさを理解するために、神はこの世界を作られたのだ。

それが、行動を通して学ぶとわしが言ったことなのだよ」

「おまえの心に耳を傾けるのだ。

心はすべてを知っている。

それは、大いなる魂から来て、いつかそこへ戻ってゆくものだからだ」

「おまえの心があるところが、おまえが宝物を見つける場所だからだ」

自分の心の声を聞き続けた。

すると彼は、心のごまかしや企みがわかってきて、それをそのまま受け入れられるようになった。

「傷つくのを恐れることは、実際に傷つくよりもつらいものだと、おまえの心に言ってやるがよい。

夢を追求している時は、心は決して傷つかない。

それは、追求の一瞬一瞬が神との出会いであり、永遠との出会いだからだ」

幸せな人はみな、自分の中に神を持っていると、心は言った。

一粒の砂は創造の瞬間であり、しかも宇宙はそれを創造するために何億年もかけていたからだった。

「地球上のすべての人には、その人を待っている宝物があります」と彼の心は言った。

「私たち人の心は、こうした宝物については、めったに語りません。

人はもはや、宝物を探しに行きたがらないのです。

私たちは子供たちにだげ、その宝物のことをはなします。

そのあと、私たちは、人生をそれ自身の方向へ、それ自身の宿命へと、進んでゆかせます。

しかし不幸なことに、ごくわずかの人しか、彼らのために用意された道――彼らの運命と幸せの道を進もうとしません。

ほとんどの人は、世界を恐ろしい場所だと思っています。

そして、そう思うことによって、世界は本当に恐ろしい場所に変わってしまうのです。」

「私たちが良くなるか悪くなるかによって、私たちの住む世界は良くも悪くもなります。

そして、そこで愛の力が役に立つのです。

なぜなら、私たちは愛する時、もっと良くなろうと必ず努力するからです」

人生は運命を追求する者にとっては、本当に寛大だと少年は思った。

少年の知っている香りとキスの感触を運んできた――そのキスはずっと遠くからゆっくりとゆっくりとやって来て、少年のくちびるの上でとまった。

以上です。

幾つになっても、チャレンジして行きましょう‼

Keep on going ❗ (*^ー^)ノ♪

文庫本で、596円でした。

とっても面白くて人生に役立つことがいっぱいです。(*^-^*)

是非買って読んでみてください。

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