「有機野菜の作物には気をつけないと。本当はとっても危ないの。オーガニックと書いてあればなんでも安全だと信じるのはバカの骨頂だよ」

慣行栽培と有機JASと自然栽培の違いを知っていますか?

木村秋則さんは「奇跡のリンゴ」の著者であり、30年以上自然栽培の指導をされている信念と行動の人で、私はとても尊敬しています。自然と向き合う木村さんの観察力✨を私も身につけたいと思います。😊

日本農業再生論

「自然栽培」革命で日本は世界一になる!

著者 木村秋則 高野誠鮮

p105

木村「有機野菜の作物には気をつけないと。本当はとっても危ないの。オーガニックと書いてあればなんでも安全だと信じるのはバカの骨頂だよ」

有機JAS企画ができた平成13(2001)年以降、有機=オーガニックは広まりました。「有機野菜のサラダ」「オーガニックのコットンでできたタオル」など、ちょっと値は張りますが、おしゃれで体にいいイメージがあるので女性客には特に人気のようです。

「生物多様性など環境を守り、自然と共生しながら、安心、安全な農作物を作る」という理念のもと、化学肥料は認めず、その代わりに牛、豚、鶏などの家畜のフンによる動物性の有機肥料かアシなどの植物や米ぬか、ナタネの油かすなどによる植物性の有機肥料などが使われています。

ところがこの堆肥は、本当は4年も5年も寝かせて完熟させてから作物に施さなければいけません。そのような堆肥は臭いもなくサラサラしています。1年寝かせただけの未熟な堆肥は臭いは残っているし、前にお話した硝酸態窒素の害を引き起こす危険もあり、アブラムシなどの害虫も呼び寄せて農薬のお世話にならざるをえなくなります。

たとえばハツカダイコンの種をまいて有機肥料を施し、虫が一匹も来ないで実ったら、それは完熟した堆肥ということ。使っても大丈夫です。

けれど4年も5年もかけて堆肥を作るのは手間と時間がかかります。それで完熟していない堆肥を施している農家は実はけっこういるんです。

透明な容器に一般(慣行)栽培、有機栽培、自然栽培の米を入れ、水道水に浸して2週間置いて置きます。どうなると思われますか?

一般栽培の米は茶色くなって腐敗していきます。有機栽培の米は黒くドロドロになってカビが生え、強烈な悪臭を放ちます。自然栽培の米は腐敗しないで発酵し、酒のような匂いがするのです。有機栽培の米の腐敗がいちばん激しいんです。

また、有機栽培は無農薬ではないということも気をつけないといけません。30種類以上の農薬が使用OKとされて、木酢や硫酸銅といった天然由来成分のものもありますが、なかには石灰ボルドーといった化学合成農薬も含まれます。またその使用量にも制限がありません。

皆さん、これで安心、安全だと思いますか?

オーガニックと書いてあるだけでなんでも安心、安全だと信じ込んでしまうのはバカの骨頂だよ。

一方無農薬で完熟した堆肥だけを施す有機栽培をしている農家もいます。こういった農家が作る作物は安全と一転いいでしょう。

ひところ合鴨を田んぼに放ち、合鴨が足をばたばたさせて泳ぐことで雑草駆除ができる合鴨農法が話題になりました。鳥が泳ぐほど安心、安全な田んぼいうことなのでしょうが、できた米を食べる私たちにとってはたまったものではありません。合鴨は田んぼの中で確かに雑草を取って置きくれますが、フンも尿もします。生フンがイネに与えられるのだから完熟堆肥とはまったく違います。

合鴨農法で獲れた米は、洗うと水が黒ずんできます。正直言うと少し臭いの。私にはおいしいとはとても思えない。

p109

高野

「売る野菜には農薬や肥料を施すけど、自分たちが食べるものにはいっさい使わない農家が本当に多い。なにが本当に安全なのかをよく知っているわけです」

完熟していない堆肥を施してもオーガニックと呼べます。農薬を散布してもオーガニックと呼べる。有機栽培は基準があいまいです。しかも消費者は、オーガニックとう心地よい響きにだまされて「ちょっと高いけど体にいいから」と買ってしまう。未熟な堆肥を使ってできた米や野菜は体にいいことは、ありません。

木村さんも書かれたように、最低でも3年は寝かせた堆肥でないと硝酸態窒素の影響も含めて危険です。………………………….

堆肥となる家畜の糞尿自体も問題です。多くの家畜が遺伝子組み換え作物の飼料を食べていたり、ホルモン剤や抗生物質などを打たれています。そんな薬漬けの家畜の糞尿が安全と言えますか?

私はまったく思わない。

以前、ニンジンを慣行栽培、有機栽培、自然栽培によってできたものを三つ用意して、放置しておく実験をしました。米と同様、いちばん腐敗が激しかったのが有機栽培のニンジンでした。

もしこれが便秘の方のお腹にたまっていたとしたら….。

実は木村さんも自然栽培を始める前に仲間たちと有機肥料を作ったことがあるそうです。鶏糞にわらや籾殻などを入れて。けれど完熟しないまま施したので畑が真っ黒になるほどのアブラムシが大発生したとか。

でも、その失敗経験が今に活かされているんですね。

木村さんはリンゴが実らなかった11年の間、米や野菜、そして他の果樹でも自然栽培を試みて成功させています。唯一リンゴだけがなかなか実を結ばなかったのです。あらゆる作物で自然栽培方法を試みたので、机上の学問ではない実践で身についた知恵を持っている。

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木村さんのことをリンゴしか作れないと思っている農家はたくさんいるんです。けれどそれだけではないんですね。

ダイコン農家でも、ダイコンがどのように埋まっていくかを知らない人が多い。時計回りにまわりながら地中に埋まっていくんです。だからダイコンを抜くときは時計の逆回りに動かせば、すぐに抜ける。木村さんは観察の人だから、そういうことをちゃんと知っているんです。

とはいえ多くの農家が知っていながら、けっして他では話さないことがあります。

売り物には農薬、化学肥料をたくさんまくけど、自分たちの家で食べる野菜には農薬、化学肥料を使わない農家があきれてしまうほど多い。そのほうがおいしいし体にいいからです。農家は知っているんですよ。ただ自然栽培で作ると大量生産できないし、形も大きさも揃わないからJAはいい顔をしないんです。

ここにもJAの罪はあると思います。

p12

硝酸態窒素は多くの病気の根元とも言われている恐ろしいものです。

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硝酸態窒素は体内に入ると亜硝酸態窒素という有害物質に変わり、血液中のヘモグロビンの活動を阻害するので酸欠を引き起こし、最悪の場合死に至ってしまう。また、発ガン性物質のもとになったり、糖尿病を誘発すると言われている恐ろしいものなんです。

p14

日本は、農薬の使用量がとりわけ高い。平成22(2010)年までのデータによると上から中国、日本、韓国、オランダ、イタリア、フランスの順で、単位面積あたりの農薬使用量は、アメリカの7倍もあります。

残留農薬のある野菜を食べ続けると体内に蓄積されていって、めまいや吐き気、皮膚のかぶれや発熱を引き起こすなど、人体に悪影響を及ぼすとさています。

日本の食材は世界から見ると信頼度は非常に低く、下の下、問題外。

もう日本人だけなの。日本の食材が安全だと思っているのは。

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今現在、世界中で行われている栽培方法は三つあります。

一つはほとんどの国でやっている化学肥料、農薬、除草剤を使う一般栽培。慣行栽培とも言われています。これが現代の農業の主流です。

もう一つは牛や豚、鶏などの家畜の堆肥をおもに使う動物性有機肥料やアシなどの植物や米ぬか、ナタネの油かすなどの植物性の有機肥料を施すもの。日本ではいわゆる有機JAS栽培、オーガニックとも呼ばれています。これは国が認めた農薬を使ってもいいとされています。

それから三つめは私が提唱する肥料、農薬、除草剤を使わない自然栽培。化学肥料はもちろん有機肥料もいっさい使いません。昭和63(1988)年に私(木村さん)が成功させた方法ですが、まだ耕作者は少なく実施面積は小さい。日本だけで栽培されているんです。

そして農業革命、これも三つあるんです。

一つは化学肥料、農薬、除草剤が研究開発されたこと。

二つめは遺伝子を操作した遺伝子組み換え作物ができたこと。

三つめは私が提唱する自然栽培。肥料や農薬kyを使わずに永続栽培が可能で、地球環境の保全と食の安全が期待できる栽培方法ということで、第三の農業革命と言われるようになりました。

今、せかいで一般的に行われている慣行栽培は、体への害を考えるとけっして勧められるものではありませんが、すべてが悪いとは私は言えません。化学肥料と農薬があったからこそ大量生産が可能になり、飽食の時代を迎えることができたんです。除草剤があったからこそ農家も草むしりなどの重労働から解放されたんです。

ただ、長い年月使ってきたために環境がどんどんどんどん破壊されていった。化学肥料や農薬、除草剤を畑にまくと、汚染物質が地下水に混じります。汚染された地下水は川に流れこみ、やがて海に出て行きます。すると海ではプランクトンが汚染物質を食べるために大量発生し、その呼吸熱で海温が上がり、台風が発生していく。

最近大きな台風が多いのも、このせいではないかなあと思っているの。

以上です。😊

どうぞご参考に。

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