アナスタシア9から抜粋させていただきます。😊
p113 「君に生きるプログラム」
「それぞれが異なった、しかも相反するプログラムで働きながら、同時に協力し合うことなんてできるの?」
「できる。常に互いがちょっとずつ相手を追い超すようにするんだ。
例えば、歩くときは、二本の足が互いに競争しているみたいに交互に前に出ていくだろう?
そうやって、二本の足は互いに競い会いながらも協力して身体を前進させている」
p121
「つまり、人間にはそんな権利が...創造されたものを磨き上げる権利が与えられているということなのね?」
「創造主は人間にたくさんの選択肢を提示しているだけだと思うんだ。
でも、そうでありながらも、創造主はたった一つのことを夢見ているんじゃないかな」
「どんなことを夢見ているの?」
「その答えを見つけられるのは、人間だけだよ」
「どこを探せば見つかるの?」
「自分の内側だよ。まずは意識を使って、地上にある様々。
暮らし方を比較して分析してごらん」
「人間には、生き物の能力を磨きあげるための偉大な知恵が授けられている。
その一方で、人間は生き物の持つ能力を科学技術に置き換える自由もある。
つまり、生き物の奥深くに秘められた能力を引き出して磨きあげるのか否かは、人間次第なんだ。
...人間の選択によって変わる。
...なぜか人々はいつの時代も科学技術の道を選んでしまうんだ。
でも、その道の行き着く先は大災害だ。そんなことが何度も繰り返されてきた。
そもそも地球規模で起こるすべての大災害は、人間の意識によって創造されているものだ。
意識とそれに続く行いによってね」
p125
「人間が創造主の創造した世界を磨きあげることによって、同時に人間自身が磨き上げられることだよ。
そして、それが洗練されていくにつれて、より大きな可能性がその人の前に拓かれていくんだ」
「アナスタチカ、君が美しい花壇を創造できたのは、君の培ってきた経験が、どうすればいいのかを教えてくれたからだ。
次の年になれば、きっと君はこの花壇をより良くしようとするだろう。
そして、これまでの経験と気持ちをもとにそれを実現する。
つまり、一度でも創造を経験すれば、君はそこから知識と感覚を得て、もっと磨き上げられたものを創造できるようになるんだ。
言い換えると、君の創造自体が君に教えてくれるということなんだ。
生きた自然を享受しながら行う創造は、創造者自身を磨き上げるんだ。
そのような偉大な創造には終わりや頂点などなく、無限なんだよ」
p129 「意識を使いこなすのは誰か」
“意識が最も強いエネルギーなら、それを操ることなんてできるのかしら、?
それに、もしも意識が私の中にあるのだとしたら、意識すらも操ることができるさらに強い何かが私の中にあるということ?
こんなに大切なことなのに、賢い長老たちが何も教えてくれなかったのはなぜ?
長老たちもこのことを知らなかったのかしら?
どっちにしても、最強のエネルギーが野放しになっているということだわ。
たとえ私の中にそのエネルギーがあったとしても、制御できなければ、それを自分のものとは言えないもの。
それに、もし私の意識をそそのかして、そのエネルギーを弄ぶことができる存在がいたとしたら、どうなるの?
私は操られていることに気づくことすらないんだわ”
p135
「わかったわ、おまえは私の意識で力をつけているのね。
そうだったのね。
それなら、おまえはもう存在しない」
彼女の意識は、一瞬の間に、寒さにしおれた無数の草花が、根っこから茎や葉の細部に至るまで元気になっている様子をイメージした。
さらに太陽の暖かな光線を1本1本に届けてやり、露や雨のしずくで潤いを与え、そよ風でなでてやることをイメージした。
それらをイメージしきると、冷たい風が吹き抜ける中、アナスタは倒木のそばの岩の上で静かな眠りについた。
それでも、主を失った意識だけは眠ることなく働き続けた。
彼女の意識から放たれた稲妻のような光線が、空間にあるすべてのものに触れ、創造主が創造したものすべてが目を覚ました。
すると、空間に新しい命守る生まれた。
まるでアナスタの祖国全体が眠りから覚めたようだった。
アナスタが放った意識は、数千年間経ってもその場に残り続けていた。
偉大なる創造のエネルギーを放った彼女の意識は、彼女の村がある谷の上を漂いながら、虫や草たち、子ネコやマンモスのダンを優しくなでていた。
氷の塊はかすかに揺れながら音を立ててはいたものの、それが村に向かってくることはなかった。
氷は解けはじめ、解けた氷の流れは村をさけながら、川や湖に流れ込んでいった。
氷河は、大宇宙で最も強いエネルギーである人間の意識に抗うことができず、解けていった。