地元の図書館で見つけた本ですが、昨日本屋さんに行ったら山積みになっていました。
スティーブン▪R▪コヴィー氏の『7つの習慣』を13歳でも分かるように、パン屋で働く青年のイラスト入りで書かれた本です。
ポイントをしっかり押さえているのでとても解りやすいです。😊
一部を抜粋させていただきます。
どうぞご参考に。
p35
◎自分の力で変えられる「影響の輪」を意識しよう
主体的でない人ほど、変えられないものに時間とエネルギーを注いでしまっていることが多いようです。
ある若者が感心を持っていることが、「関心の輪」という輪のなかに入っています。どれも、時間をかけて考えたり、エネルギーをかたむけたりしていることばかりです。
これらの関心事のうち、彼が影響を与えることができること、つまり自分の力で変えられることを、「影響の輪」という、ひとまわり小さな輪のなかに入れました。
「関心の輪」のなかにあるけれど「影響の輪」の外側にあることは、「関心は持っているけれど、自分の力で変えることはできない」ということになります。
こうして見ると、この若者は「影響の輪」の外側のことに、ずいぶん時間とエネルギーを注いでいるようですね。
でも残念ながら、「影響の輪」の外側のことにどんなに時間とエネルギーを注いでも、状況はよくなりません。自分の力ではどうにもならないことにくよくよ悩んだり、腹を立てたりするなんて、まったくムダなのです。
◎「影響の輪」を大きく膨らまそう!
自分の行動を主体的なものに変えていくためには、できるだけ多くの時間とエネルギーを、「影響の輪」のなかのことに注がなくてはいけません。そうすることで、「影響の輪」を大きくすることができるのです。
「影響の輪」か大きくなればなるほど、わたしたちは自分の未来をコントロールして、よいものに変えていくことができます。
story(青年は、感情がたかぶったときにはいったんその場をはなれて、気持ちを落ちつけてから。つぎの行動を選ぶようにした。
言うべきことはその場で言い返すのではなく、あらためて時間をつくり、冷静に伝えた。
それから、自分の力ではどうにもならないことには時間をかけないように意識した。
たとえば、パンづくりが下手くそなのも、仕事が遅いのも仕方がない。
それをくよくよ気にすることに時間をかけるのはやめた。
そのかわりに、人よりたくさんパンをつくって腕をみがくことに時間をかけた。
親方を手本にしながら、仕事のスピードを上げるための研究も始めた。
それ以来少しずつ、親方のどなり声も、先輩のいやがらせも、気にならなくなった。
腕をみがくのに、それどころではなくなったのだ。)
◎自分との約束を守る
主体的に生きるには、自分を律する力が必要です。
そのためにぜひ心がけてほしいのが、自分との約束を守る、ということです。
たとえば「毎朝6時に起きる」「笑顔であいさつする」などといった、ささいなことでかまいません。
「まずは30日だけチャレンジしてみる」というように、期間を区切ってみてもよいでしょう。
とにかく、どんな小さなことでもいいので、できそうなことから実行してください。
そうしているうちに、「わたしは責任を果たす、誠実な人間だ」という自信がわいて、自分を信頼できるようになっていくはずです。
「自分は責任を果たす人間だ」と感じることは、”主体的である”ための土台になります。
そして、この第1の習慣は、これから学んでいくすべての習慣の基礎になります。
p82
◎人間関係には「6つの形」がある
▪知らず知らずのうちに、勝ち▪負けで考えている
青年は、どちらかが意見をとおせばもう一方は折れるしかない、と考えていたようですね。
こんなふうに「勝ち▪負け」でとらえる感覚は、青年だけでなく、だれでも無意識のうちに持ってしまうものです。
「お兄ちゃんはもっとうまくできたのに」
こどものころ、親や先生に、自分と兄弟をくらべるようなことを言われることがあった。自分は勉強でもスポーツでも兄弟に負けている。勝つためには人より努力しないといけないと感じていた。
希望の学校をめざして勉強に励んだ。合格できる人数は決まっているから、ライバルに勝つことを意識するのは当たり前のことだった。そしてその結果は、実際に、彼の将来にも大きな影響を与えた。
上に挙げたのは、だれもがこども時代に経験する例です。
こんなふうに育ったこどもたちがやがて社会に出ると、また「勝ち▪負け」の経験の連続です。
たとえば、自分たちが考えていた商品をほかの会社から出されたら、「負けた」と思う。
友達より早く出世すれば「勝った」と思う。
買ったばかりのものを別の店で割安で見つけたら「負けた」と思うーーーこんな経験の積み重ねが、勝つか負けるかだけでものごとを考える感覚をつくってしまうのです。
▪勝ち▪負けだけではない人間関係
人間関係には、次の6つの考え方があります。
Win-Lose 自分が勝ち、相手が負ける
Lose-Win 自分が負けて、相手が勝つ
Win-Win 自分も相手も勝つ
Lose-Lose 自分も相手も負ける
Win 自分の勝ちだけを考える
Win-Win or No Deal Win-Winにいたら なければ取引しない
◎自分も相手も納得できる「Win-Win」をめざそう
どちらかが負けたり、なにかを失ったりしなくても、わたしたちは幸せになることができるのです。
▪Win-Winをかなえる条件
「思いやり」
「勇気」
「豊かさマインド」
たての軸が「勇気」、横の軸が「思いやり」となっていますね。
相手のWinをかなえるには、相手を思いやる気持ちが不可欠です。
そして自分のWinをかなえるのに必要なのが、自分の気持ちや信念をハッキリと伝える「勇気」なのです。
「豊かさマインド」というのは、「すべての人が幸せになれる」と心から信じる気持ちです。
幸せは、受験の合格とはちがいます。
「だれかが幸せになったら、そのぶんだれかが不幸になる」というものではありません。
幸せは、みんなに行き渡るだけたっぷりある。
このことを忘れずに、Win-Winをめざしていってください。
◎うまくいかないときは「No Deal」を選ぶ
▪Win-Winがうまくいかないときは
どちらもベストを尽くして、それでもどちらかが納得できない結果になってしまいそうーーーそんなときに思い出してほしいのが、「Win-Winor No Deal」です。
これは「Win-Winをめざすけれど、うまくいかなければひとまず見送る」という考え方でしたよね。
話しあいの結果、どちらかが妥協したり、だれかがいやな思いをしたりすると、その後、関係そのものが悪くなってしまうことがあります。
それよりは、「結論をださない」ということを選んだほうがよい場合もあるのです。
p92
◎「聞き上手になって相手の本音を理解しよう
▪ものの見方がちがうと、問題は解決できない
分かりあえていると思っていたのに、実は分かっていなかった(分かってもらえていなかった)...。
先生が、2人のこどもにこう言った。
「この動物にどんなエサをあげればいいでしょう? 相談して決めてください。」
1人は「にんじん」と答え、もう1人は「魚」と答えた。
にんじんと答えたこどもは言った。
「魚なんか食べるわけないじゃないか」
魚と答えたこどもは、「いいや、魚が好物だって、図鑑にも書いてあったよ。ぼくは、この動物がにんじんを食べるなんて、聞いたことがないな」と言った。
2人の意見はいつまでたってもまとまらない。
そこで先生はつぎの質問をした。
「2人は、この絵をなんだと思いますか?」
2人は同時に答えた。
Aくん「うさぎ」
Bさん「あひる」
ちがう見方をしている同士では、どんなにかんたんな問題も解決することはできないのです。
ですから、まずは相手の見方を理解することから始めなくてはなりません。
p106
◎シナジーを創り出して「第3の案」を見つける
▪相手と意見がちがうときは、新しい答えを探す
ほかの人と意見がちがうときに、自分が遠慮して丸く収めようとするのは、よくあることです。
これは、意見のちがう相手となんとか落としどころを見つけるために妥協している状態です。
でも、もしあなたがいつもそうしているとしたら、少しもったいないかもしれません。
なぜなら、相手と意見がちがうときこそ「シナジー」、つまり相乗効果を創り出すチャンスだからです。
2つの三角形が重なってできた青い部分が「妥協」を示しています。
つまりこれは、、「相手の意見と自分の意見がちがうとき、2人の意見になんとか共通の部分を見つけ出して、Win-Winにこぎつけた」という状態です。
つぎに見てもらいたいのが、下の図です。
2人の意見のどこかに答えを探すのではなく、どちらの意見にもなかった新しいところに、「第3の案」を見つけ出しています。
こうして予想もしなかったような成果を出すこと、それがシナジーです。
シナジーは、2人の意見がちがうからこそ創り出すことができます。
それぞれの意見を理解しあって、視野を大きく持つことで、それまで考えたことのなかった新しいものが生まれます。
1+1が、3にも4にもなるのです。
シナジーを創り出すには勇気が必要です。
なぜならそれは、自分にとっても相手にとっても、未知の世界に一歩踏み出すことだからです。
そこには失敗や危険がひそんでいるかもしれません。
でも、大きな成功を手に入れるために、勇気を出して行動に移す必要があるのです。